立岩陽一郎
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立岩陽一郎

ジャーナリスト、1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。

アメリカの中東観は民主的かどうかではなく、親米か反米か

公開日: 更新日:

 サウジアラビアの油田施設が攻撃され、武装勢力が犯行声明を出した。しかし、トランプ政権はイランによるものと主張して強硬的な姿勢を強めている。

 日本ではトランプ大統領のイランに対する強硬的な姿勢はボルトン補佐官によるもので、その解任によって対応が変わるとの解釈が流れているが、それは事実と符合しない。トランプ大統領がイランとの核合意から離脱を含めたイランへの敵対姿勢を示すのはボルトン氏の補佐官就任前からだ。

 そこには、イランを敵視する政策が一般的に支持されるというアメリカの事情がある。私はNHK時代にイラン特派員を務めたが、赴任について友人のアメリカ人外交官から、「可哀想に。あんな酷い国に行くのか」と同情された。これが普通のアメリカ人のイラン観だ。イランというのは独裁国家で酷い国。そう考えるアメリカ人は多い。1979年のイスラム革命でアメリカ大使館が占拠されて長期間にわたって大使館職員が人質になったという事実が影響していることは間違いない。しかし、実際にはイランは独裁国家ではない。大統領も議会も国民が選んでいる。中東では珍しく民主的な国だ。国内にはさまざまな党派があり、選挙はもちろん、政策論争でもしのぎを削っている。私が赴任した時は、文明の対話を主張した穏健派のハタミ大統領が誕生した時であり、保守派からの牽制は熾烈を極めていた。

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