立岩陽一郎
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立岩陽一郎

ジャーナリスト、1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。

ゴーン氏の国外逃亡 供述調書至上主義と刑事司法の問題点

公開日: 更新日:

 2020年はゴーン前日産会長による国外逃亡劇で幕を開けた。この記事が出る頃にはゴーン氏が会見をするとの報道もある。今後、ゴーン氏はさまざまなメディアを使って自身の正当性を主張するだろう。その行為を英雄視する人も一定程度はいるだろうが、ゴーン氏への共感の輪は本人が思うほどは広がらないかと思う。

 気になるのは、この逃亡劇を理由に保釈を許可した裁判所を批判する論調が日本のメディアで目立っていることだ。この逃亡劇を理由に保釈に否定的になれば、日本の刑事司法は「前近代的」との国際的な批判を払拭することはできないだろう。問題は、保釈の制度設計をしてこなかったことにある。日本は、その議論を始めなければならない。

 アメリカで私が住んでいた自治体の首長が収賄でFBIに逮捕された時、この首長は逮捕後間もなく保釈されている。後に有罪が確定して失職するが、それでも保釈は当然のこととして受け止められていた。その際、足首には逃亡防止用のGPSがつけられ、居住及び移動の制限も課せられ、パスポートは裁判所の管理となっていた。加えてFBIによる電子的監視の対象にもなっていた。つまり自宅内部での会話をFBIが監視するという措置で、映画でそうした場面を見たことのある人もいるだろう。実際に監視されていたかどうかはわからないが、こうした対応があれば、今回のような逃亡劇が起きることは防げただろう。

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