立岩陽一郎
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立岩陽一郎ジャーナリスト

ジャーナリスト。1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て、2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。

ゴーン氏の国外逃亡 供述調書至上主義と刑事司法の問題点

公開日: 更新日:

 こうした措置を行うには法制度の改正が必要になる。それでも、原則保釈を認めない今の日本の刑事手続きは変えないといけない。私は拘置所の取材も何度か経験しているが、罪が確定していない人間が過ごす場所というより、受刑者のそれに限りなく近い。それだけではない。アメリカのジャーナリストと話していて一様に驚かれるのは、日本では被疑者の取り調べに弁護人の同席が認められないという事実を伝えた時だ。「そんなことで、裁判で有罪にできるのか?」と言われたこともある。アメリカでは弁護人が立ち会わない取り調べで仮に被疑者が自供しても、それは裁判に使えない。

 こうしたもろもろが「前近代的」との批判になっている。根本的には供述調書至上主義という日本の刑事司法の問題点がある。特に地検特捜部の捜査は検事が書く調書で全てが決まると言われてきた。検察にとって「良い調書」を得るために、長期の身柄の拘束が都合が良かったことは事実だ。更に言えば、地検特捜部という存在も国際的には理解されにくいということは知っておいた方がいい。本来、検察とは警察の捜査を検証して起訴するかどうかを決め、その後の裁判に責任を負う機能だ。これが刑事司法で捜査の暴走を抑止する役割を担っている。しかし地検特捜部は逮捕も起訴も自らが行う。そこに捜査の検証が行われているのか、外部からは全く見えない。これもアメリカで理解されにくい点だった。

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