「賭博」の説明を避けた横浜統合リゾート・エキスポの欺瞞
1月29日に横浜で開催された「統合リゾート(IR)産業展」に行ってみた。要するに、山下埠頭にカジノ「賭博」を誘致したい横浜市と、そこに参入して利益を得たい業者が一堂に会して、バラ色の「夢」を拡散しようとするお祭り騒ぎであった。
私は、世界の各地でカジノで成功した3業者の英語でのプレゼンテーションを興味深く聴いた。ギャラクシー(モナコとマカオ)とゲンティン(シンガポール)、サンズ(ラスベガスとシンガポール)である。皆一様に、資金力、実績、地域貢献を強調していた。ところが、最大の収益部門であるカジノの実態には全く触れなかった。
わびしい漁村(モナコ)、海辺の未開の湿地(シンガポール)、植民地貿易港(マカオ)を開発し、立派な観光+国際会議施設を造り、一流の「おもてなし」を提供している。その結果、地元にたくさんの雇用と取引と税金が生じた……と、素晴らしい話ばかりである。
しかし、語るに落ちている場面もあった。国際会議場や美術館などは本来的に収益率は低いものだが、そこを補填して高水準を維持する財源はカジノ収益だと言っていた。