保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

ソ連はポツダム会談に忙殺され日本政府をあしらい続けた

公開日: 更新日:
スターリン(右)とモロトフは日本政府を無視してポツダム会議に出かけた(1937年=(C)Sputnik/共同通信イメージズ)

 ソ連を通じての和平交渉は、奇妙な挨拶で始まった。広田弘毅は、ソ連がドイツを降伏させたことに敬意を表するところから始めた。その上でソ連とともに近い距離で居たいと申し出た。これに対して駐日ソ連大使のマリクは即答を避け、本国政府に伝えたいと応じた。しかし日本はソ連に対して常に敵対的で…

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