中ロ朝トップ3人そろい踏みでウクライナ和平また遠のく…米トランプ大統領の思惑とはまるで違う展開に
式典の前日(2日)に行われた中ロ首脳会談も、戦略的な協力関係で一致。ロシアの国営ガス会社ガスプロムは同日、東シベリアから中国へガスを供給するパイプライン「シベリアの力」の供給量を380億立方メートルから440億立方メートルに増やすことで合意したと明らかにした。
中国も北朝鮮も陰に陽に、ロシアへの協力を惜しまない。ウクライナ和平に水を差す動きに、プーチンの高笑いが聞こえてきそうだ。筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)が言う。
「ロシアも経済的にきつくなっているので、どこかで和平交渉が必要になりますが、プーチン氏はウクライナを支配する野望は捨てていません。軍事パレードで中ロ朝のトップ3人がそろったのは、まさに3カ国の軍事同盟をアピールするため。なぜ、そんなことをしたのか。停戦した場合を考え、ウクライナに中国軍を平和維持部隊として置きたいからです。プーチン氏にとっては自国の負担を減らしてNATOの脅威を遠ざけられるし、中国にとっては欧州への影響力を保持できる。西側には中ロが、東側には北朝鮮がにらみをきかせるという構図ができあがるわけです。和平合意を急ぐトランプ米大統領の思惑とは、まったく違う展開をたどっています」
トランプは中ロ朝そろい踏みを「悪だくみ」とののしるのが精いっぱい。和平は遠のくばかりだ。