コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

公開日: 更新日:

■「コメ騒動再燃もあり得る」と懸念する声も

 ただ、コメ減産は、凶作に見舞われた際に供給不足に陥る可能性が高まる。永田町では、「『コメ騒動』の再燃もあり得る」と懸念する声が漏れ聞こえてくる。

「そもそもコメ高騰は、異常気象による収量減や、需要予測の見誤りから引き起こされた。今年は収量大幅増というが、猛暑に見舞われてもなんとか踏みとどまり、9月には産地に台風も来ないなど、運が良かっただけとも言える。最近は温暖化の影響が深刻化し、インバウンド増で、需要を正確に予測するのも難しい。従来の減産路線に戻すのは、まだまだリスクが高いでしょう」(農水委員会所属の野党議員)

 それに、「増産しろ」と宣言した2カ月後に「減産しろ」とは、朝令暮改もいいところだ。現場のコメ農家にも困惑が広がっている。

「一貫性のない農政には、不信感が募るばかりです。方針がブレまくるようでは、生産者は安心して経営に取り組めません。備蓄米放出をはじめ進次郎さんのコメ政策に現場は相当振り回されたので、まずはその検証が必要。そのうえで、中長期的なビジョンを明示してほしい。コメ農家は長年厳しい経営を強いられ、廃業ギリギリで踏みとどまっている人が多い。これ以上彼らを追い込まないためにも、丁寧に生産現場と向き合って欲しい」(生産者と近いコメ小売店主)

 パフォーマンス好きの“コメ大臣”から地味な新大臣に代わっても、混乱は相変わらず続きそうだ。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    高市自維政権で進む病人・弱者切り捨て…医療費削減ありき「病床11万床潰し」すでに3党合意の非情

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  4. 4

    維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

  5. 5

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  1. 6

    吉村代表は連日“ドヤ顔”、党内にも高揚感漂うが…維新幹部から早くも「連立離脱論」噴出のワケ

  2. 7

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」

  3. 8

    吉村代表こそ「ホント適当なんだな」…衆院議席3分の1が比例復活の維新がゾンビ議員削減と訴える大ボケ

  4. 9

    最終盤の宮城県知事選は仰天の展開! 高市首相応援の現職vs昭恵さん&参政党支援の元自民議員でデッドヒート

  5. 10

    高市新内閣発足 歴史の暗転か超短命か…本性をあらわにした極右政権の正体と今後(前編)

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木麟太郎をドラフト指名する日本プロ球団の勝算…メジャーの評価は“激辛”、セDH制採用も後押し

  2. 2

    日本ハム新庄監督がドラフト会議出席に気乗りしないワケ…ソフトB小久保監督は欠席表明

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    吉村代表こそ「ホント適当なんだな」…衆院議席3分の1が比例復活の維新がゾンビ議員削減と訴える大ボケ

  5. 5

    吉村代表は連日“ドヤ顔”、党内にも高揚感漂うが…維新幹部から早くも「連立離脱論」噴出のワケ

  1. 6

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 7

    ブルージェイズ知将が温めるワールドシリーズ「大谷封じ」の秘策…ドジャース連覇は一筋縄ではいかず

  3. 8

    高市政権は「安倍イタコ政権」か? 防衛費増額、武器輸出三原則無視、社会保障改悪…アベ政治の悪夢復活

  4. 9

    今秋ドラフトは不作!1位指名の事前公表がわずか3球団どまりのウラ側

  5. 10

    亀梨和也気になる体調不良と酒グセ、田中みな実との結婚…旧ジャニーズ退所後の順風満帆に落とし穴