高市首相が招いた「対中損失」に終わり見えず…インバウンド消費1.8兆円減だけでは済まされない
パンダはもう来ない
日本政府関係者は中国の報復措置が過熱し、レアアースの輸出規制への発展を危ぶんでいるが、柯氏は「日本メーカーの多くは過去に輸出規制された反動からレアアースのリサイクル技術を手に入れています。また、中国の対米レアアース輸出の規制強化が、米中間の合意で1年延期となり、いざとなれば米国経由で調達可能です」と指摘する。
その上で柯氏が最も警戒する中国側の報復措置は「中国を訪れる日本人の短期滞在ビザ(査証)の免除停止」だ。
「現状は滞在期間30日以内なら、ビザなしで渡航可能ですが、停止となれば出張族には厄介です。他にも日中間のあらゆるレベルの交流が阻害され、多くのビジネスチャンスが潰れかねません。いずれにしても、中国政府の要求通り高市首相が答弁を撤回すれば、ますます中国側はツケ上がる。中国側にもメンツがあり、お互い一歩も譲れぬ膠着状態の長期化は免れません。確実に言えるのは、しばらく日本にパンダはやって来ないということです」(柯氏)
国内のパンダは東京・上野動物園の双子2頭のみ。来年2月には中国への返還期限を迎え、飼育継続の許可が下りなければ、いよいよ国内不在となる。高市首相の不用意な答弁は「日中友好のシンボル」まで奪うのか。
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「台湾有事は日本有事」が持論の高市首相。中国との関係は悪化の一途だが落としどころはあるのか。●【関連記事】『「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得』で詳報している。


















