「年収の壁」で国民民主の要求「178万円」を丸のみ…高市首相の“抱きつき作戦”で維新歯ぎしり
総額1兆8500億円の財源確保は後回し
高市政権は衆院で過半数を回復。参院の過半数にはまだ6議席足りないが、衆院27議席、参院25議席を有する国民民主を取り込んだことで、来年の政権運営は少なくとも当初予算案の成立までは、ほぼ盤石となった。
相対的に薄れていくのが、日本維新の会の存在価値だ。与党とはいえ、大臣を出さず閣外協力にとどまっているだけに、実質的な立場は「ゆ党」化を強める国民民主とほとんど変わらない。
「むしろ本来は野党の国民民主の方が、政権から大きな成果を引き出している。維新が『改革のセンターピン』に掲げた議員定数削減法案は、先の臨時国会では審議入りすらできず、来年に持ち越し。拙速な議論に自民党内が反発し、与党間をギクシャクさせているだけです」(政界関係者)
国民民主の要求を丸のみした高市首相の抱きつき作戦により、「連立離脱しても知らんで」という維新の下卑た脅し文句も通用しなくなる。チンピラ政党の歯ぎしりが聞こえてくるが、「年収の壁」引き上げの財源論は後回し。合意文書では、ひと言も触れない無責任ぶりだ。
103万円から178万円への引き上げで、税の減収規模は総額1兆8500億円程度に膨らむ。18日の為替市場は引き上げ合意が伝わった直後、財政悪化の観測から一気に円安が進んだ。規律を失った高市財政が円安を助長すれば、さらなる物価高を招くだけ。減税効果を相殺しかねない。
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