本田圭佑「虚像と実像」(15)「ネガティブなことは書くな!」

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「その日の練習内容を振り返るに当たって《反省欄》には『ネガティブなことは一切書くな。自分にとってプラスになることしか書くな!』と伝えました。あの先生の言うことはダメ、あのコーチは分かってない、というような人の悪口を書くことは言い訳に過ぎません。とにかくプラス思考を持ち続けろ、と。圭佑にはそうアドバイスを送りました」(大三郎)

 本田は大叔父の指示に素直に従った。1日1ページ。どんなに体が疲れ眠くても、寝る前には必ずノート取りを忘れなかった。星稜高を卒業するまでに取ったノートは数十冊に膨れ上がった。

 本田ファミリーに伝わる「ノート取り」の効能を多聞はこう説明する。

「ノートを取るということは、その日に《もう一回、練習を繰り返したことと同じような効果がある》と思います。なぜならノートに正確に書き入れるには、その日の練習の記録を丹念にたどっていかないといけないからです。調子が悪い時に見直すと原因が見えてくるという利点もあります。圭佑君も、そうやってノートを有効利用していたと思います。彼のノートを実際に見たわけではありませんが、星稜高3年の時にキャプテンになった際には、チーム用と自分用のノートを作っていたそうです。2年ほど前でしょうか、直接会って話をしましたが、彼は物腰が柔らかく、テレビを通して伝わってくるイメージとは違った。真面目で律義な性格だから、小さい頃からノートを書き続けられたのかも知れません」

 大言壮語にしか聞こえず、負け惜しみにしか思えない時もある。それでも常にポジティブな言動で自身のベクトルを「前向き」に定めたことで今の本田圭佑がある。通称「本田ノート」は、今でも本田の心の支えになっている――。

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