著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

羽生結弦と町田樹 「鏡よ鏡、世界一のスケート王子はだあれ?」

公開日: 更新日:

「鏡よ鏡。世界一のスケート王子は誰?」

 鏡に映る自分は毎夜笑って答え続ける。

「何を言ってる樹。それはおまえだよ」

 安堵して眠りにつくが、町田樹よ、まなじりを決して鏡をのぞき込むがよい。

「鏡よ鏡よ答えておくれ。世界で一番素晴らしいスケート王子は、誰?」

 鏡の中の自分の顔が、もわもわと崩れ、照明が落ちて窓のカーテンがブワンとはためいて稲光と雷鳴、できればパニック映画で類型的恐ろし伴奏音楽を書かせればいまだに一番とジイサマになっても思っているジョン・ウィリアムズの曲が低弦でズズンと流れ、(それがジョーズそっくりで気になるが)鏡の中の町田樹の顔はみるみる青ざめ、紫色の口が裂け、目には幾重にも隈が入って、

「世界一番のスケート王子、それは……」

「そ、それは?」

「それは……羽生結弦

 長髪かきむしりベッドに身を投げ出してもだえ苦しみ、

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?