著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

モンゴル人力士・逸ノ城の快進撃に舞い上がるNHK

公開日: 更新日:

逸ノ城に始まり、逸ノ城に終わる、白鵬の31回目の優勝さえかすんでしまうような逸ノ城の活躍でした」

 千秋楽のNHKテレビ中継アナウンサーはそう言い切った。白鵬に代わってなにか新しい刺激が欲しくてたまらないところ、わざわざ場所中に逸ノ城の父親をモンゴルで取材して一緒にテレビ観戦させ、相撲留学で来日した際の鳥取の高校の相撲部員全員に中継を見せて話題にした。どうにも取って付けた感じがする。

 前日急きょ取組が決まって白鵬と対戦する直前の逸ノ城を14日目に中継したアナウンサーは、「半眼の目からは仁王像、多聞天を思い起こさせます」とも言った。

 社会科で習った鎌倉仏像だかの仁王像に比するのも少々無理があるな。逸ノ城の顔は仁王像というよりはゴツいモンゴル顔。教科書で肖像画を見たことがあるフビライハン、朝青龍と同じ騎馬民族のエラ張りデカ面。

 逸ノ城、本名アルタンホヤグ・イチンノロブ。特徴はデケえくせに跳んで勝つ変化技。それで連想するのが鎌倉時代に攻めてきた元寇。刀と弓と矢しか持ち合わせない日本の武士に対して、飛び道具「てつはう」使って攻め込んだ。要は勝ちゃいいのだ。サムライがモンゴル兵を前にして馬上高らかに「やあやあ、遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ、我こそは日の本一とうたわれし」などと自己紹介してる間に飛び道具でドン! 勝ちゃいいんだからなんでもあり。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る