日本シリーズが「セクシー」じゃなくなった

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 多くのファンがいるプロ野球には「セクシー」であってほしいと思っている。男と男が真剣勝負を繰り広げることで心の満足感、充足感を得られる。色気が出てくる。プロ野球はとかく厳しい勝負の世界。結果を残せなければクビになる。あくまで勝った方が勝ちなのだ。公式戦で勝てなかった下位チームがCSで勝ち抜くのは邪道、というのは言い過ぎか?

「セクシー」なものはあくまでシンプルだ。僕は車好きなのだが、車を道具と考えるか人生を輝かせるアイテムと考えるか。僕は後者だ。燃費や乗り心地が良くなくても、仕方がないと割り切る。利便性、効率性を求めすぎると魅力がそがれることもある。

 プロ野球もビジネスだ。CSでお金儲けをすることを完全に否定できない。でも、ちょっとした「お得感」のために「ヤボ」ったくなってしまっているなら残念だ。どうしてもCSをやるというなら、昔のパがやっていた前後期制のプレーオフはどうか。優勝したチーム同士の戦いならまだ納得がいく。プロ野球はポストシーズンの制度を再考する時期に来ていると思う。


▽もりたか・ゆうじ 1963年、長野県生まれ。漫画家・コージィ城倉の原作者としてのペンネーム。89年「男と女のおかしなストーリー」でデビュー。筆者原作の「グラゼニ」(「モーニング」連載中)は「お金」をテーマにした野球漫画。タイトルは、主人公・凡田夏之介の座右の銘である「グラウンドには銭が埋まっている」が由来。

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