日本シリーズが「セクシー」じゃなくなった

公開日: 更新日:

 多くのファンがいるプロ野球には「セクシー」であってほしいと思っている。男と男が真剣勝負を繰り広げることで心の満足感、充足感を得られる。色気が出てくる。プロ野球はとかく厳しい勝負の世界。結果を残せなければクビになる。あくまで勝った方が勝ちなのだ。公式戦で勝てなかった下位チームがCSで勝ち抜くのは邪道、というのは言い過ぎか?

「セクシー」なものはあくまでシンプルだ。僕は車好きなのだが、車を道具と考えるか人生を輝かせるアイテムと考えるか。僕は後者だ。燃費や乗り心地が良くなくても、仕方がないと割り切る。利便性、効率性を求めすぎると魅力がそがれることもある。

 プロ野球もビジネスだ。CSでお金儲けをすることを完全に否定できない。でも、ちょっとした「お得感」のために「ヤボ」ったくなってしまっているなら残念だ。どうしてもCSをやるというなら、昔のパがやっていた前後期制のプレーオフはどうか。優勝したチーム同士の戦いならまだ納得がいく。プロ野球はポストシーズンの制度を再考する時期に来ていると思う。


▽もりたか・ゆうじ 1963年、長野県生まれ。漫画家・コージィ城倉の原作者としてのペンネーム。89年「男と女のおかしなストーリー」でデビュー。筆者原作の「グラゼニ」(「モーニング」連載中)は「お金」をテーマにした野球漫画。タイトルは、主人公・凡田夏之介の座右の銘である「グラウンドには銭が埋まっている」が由来。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”