現状維持更改のソフトB五十嵐が語っていた「伝説の41球」
「あの時は何がダメだったか、自分では分かっていますから」
4日、契約更改で3年契約の3年目を現状維持の1億5000万円でサインしたソフトバンクのセットアッパー・五十嵐亮太(35)。今季、63試合で球団新記録の45ホールドポイント、防御率1.52の好成績を挙げた右腕は、日本シリーズの際、9月25日の楽天戦についてこう語っていた。
七回1死一、二塁で登板して計5四球2失点。プロ野球ワーストタイの1イニング4押し出しは60年ぶりの珍事。ファンが祈るように投球を見守るシーンが印象的だった。緻密な制球力を駆使するというより球威とキレが武器であるが、1死しか取れずに自滅。自力優勝の可能性を消した41球を「伝説の41球」と皮肉ったファンもいた。
それでも五十嵐が以降、ダメージを引きずることなく、CS制覇、日本一に貢献できたのは、ファンの後押しがあったからかもしれない。
本拠地のヤフオクドームでは、あの楽天戦以降、五十嵐が登板して3ボールになると、自然と拍手が起こるようになった。マウンドの五十嵐にもそれは聞こえていたそうだ。