五輪で商売をしてきた大新聞が「五輪重視」に釘さすあざとさ

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 それぞれもっともらしい言い分ではあるが、これまでの五輪報道を見れば、マスメディアこそが五輪熱を煽リーダーではなかったか。

 例えば朝日はロンドン五輪の直前、日本選手の金メダルは13個と大甘予想(実際は7個)だった。新聞に限ったことではない。実績を見れば8位入賞さえ厳しい選手も、毎度多くのメディアは「メダルの可能性もある」と報じる。

■まるで高校野球と同じ

 スポーツファンの松野弘氏(東農大客員教授)が呆れ顔でこう言う。

「商売のためには事実に目をつむるのが、この国のマスコミです。朝日や毎日は高校野球の大会を主催しているが、暴力指導や行き過ぎた特待生制度などの実態には知らんぷり。新聞を売るために高校野球や球児を美化してきた。五輪報道もこれと同じ。新聞販売のために『メダルが取れるぞ』と選手を必要以上に持ち上げるのです」

 さらに松野氏はこう続ける。

「今の時代、五輪のメダル獲得数を競うというのは、もはや社会主義国や後進国の発想です。日本はWHO(世界保健機関)加盟国の中で世界一の長寿国です。スポーツ庁という役所ができるなら、スポーツを通じて国民の健康を促進するために機能するべきです」

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