元横浜打撃コーチ・高木由一氏が語る 長嶋監督を奈落の底に突き落とした「マシンガン打線」の秘密

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 98年の横浜のチーム打率.277、642得点はリーグ1位。ビッグネームを並べて球団史上最強と期待された巨人打線を圧倒したが、もちろんそれは運や勢いだけが原因ではなかった。権藤監督は打者の積極性を重視し、投手以外にほとんどバントさせないという方針を徹底した。

「権藤さんは初球から打って凡打しても選手を怒らなかった。恐ろしいほどバントのサインも出さなかった。終盤、あと1点取れば勝てるという試合、ここはバントした方がいいなと思ったこともあるけど、信念を貫き通した。だからこの巨人戦でも、四回に単打ばかりの7連打で5点を取ったように、何度もビッグイニングを生んだ。そういう監督の方針のもと、打撃コーチとして腐心したのは、好球必打とつなぎの意識を持たせることだけ。選手には『小さく、強く、コンパクトに打っていこう』と言っていましたね。それともうひとつ、毎試合前に必ず『いいとこビデオ』を選手に見せていたんです」

 いいとこビデオ――。スコアラーに頼んで、横浜の各打者がその日の対戦投手から安打を打っているシーンだけを集めて編集してもらった、ヒット集だ。

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