著者のコラム一覧
鈴木良平サッカー解説者

1949年6月12日生まれ。東京都世田谷区出身。東海大卒業後の73年、ドイツの名門ボルシアMGにコーチ留学。名将バイスバイラーの薫陶を受け、最上級ライセンスのS級ライセンスを日本人として初取得。84-85年シーズンのドイツ1部ビーレフェルトのヘッドコーチ兼ユース監督。なでしこジャパン初代専任監督。98年福岡ヘッドコーチ。

「カギは集中力持続」 初代なでしこ監督がイングランド戦予想

公開日: 更新日:

 28日の準々決勝オーストラリア戦は、ピリッとした緊張感が漂う中、なでしこの選手たちが創造性あふれるパス回しを見せ、何度も何度も決定機をつくり上げた。彼女たちは、自分たちが世界女王であることをW杯のピッチの上で証明した。本当に素晴らしい内容の試合だった。ベスト4入りの要因は2つある。

 まずは「オーストラリアの強烈プレス逃れ」。オーストラリアは、1次リーグ初戦の米国戦でも奏功したが、キックオフと同時にハイプレスを掛け、試合の主導権を握ろうとしてきた。なでしこはどう対応したか? プレスを掛けてくると見るや、最終ラインから前線に向けてロングボールを放り込んだのだ。

 オーストラリアの選手は困惑した。プレスを掛けようと猛然とダッシュするとロングボールが入ってくる。プレスを緩めた途端、なでしこの選手たちは自在にパスを回し始める。CB岩清水、熊谷の“GK海堀の使い方”も実に絶妙だった。

 CBの2人は、相手選手のプレスを引き付けてから“あえて”GK海堀にバックパスを送った。オーストラリアにしてみたら「最終ラインでパスを回し始めた」「プレスを掛けよう」「GKにボールを戻した」「GKは遠過ぎる」「戻って陣形を整えよう」「またパスを回し始めた」に翻弄され、前半のうちに体力を消耗してしまった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝