吉井氏ハム復帰はレアケース プロ野球にはびこるコネと情実

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 そこへいくとプロ野球界のコーチ人事は、球団フロントや監督などのコネや情実で決まるケースが圧倒的だ。フロント主導のチーム作りをする球団が増えてきたとはいえ傾向はいまもほとんど変わらない。中でも露骨なのが巨人阪神だ。

 巨人が今季、優勝を逃した最大の原因は貧打といわれる。チーム打率2割4分3厘はリーグ最下位、98本塁打、467打点はいずれも4位。ふるわなかった打撃部門の責任者ともいうべき村田総合コーチが、高橋由伸新監督になって「ヘッドコーチ」に“昇格”。同様に手腕が疑問視されていた斎藤投手コーチは二軍監督に就任した。それもこれも退任した原前監督が懇意にしていた2人を新体制にねじ込んだともっぱらだ。

 巨人のOBによれば、「原は恩師と慕う藤田元司元監督が眠るお寺に墓地を買っているが、そのあとに村田も購入した。2人はそこまで強い結び付きがあるんだよ」という。

■首脳陣に従順な人物を優先する阪神

 来季から金本新監督が指揮を執る阪神にしてもしかり。新たに一軍スタッフに加わった矢野作戦兼バッテリーコーチ、金村投手コーチ、二軍の今岡打撃兼野手総合コーチはいずれも指導者経験がない。経験がないから無理だとは限らない。けれども彼らは同様に指導者経験のない金本監督をサポートすべきコーチとしてふさわしいといえるのかどうか。

 球団内部にはかねて03、05年の優勝メンバー中心のスタッフをつくる構想があった。彼らは人気や知名度があるうえに勝つ味を知っているかもしれないが、指導者として有能かどうかは未知数だ。

「阪神はなにかとOBの面倒見が良い。フロント幹部や首脳陣に従順な人物を優先してユニホームを着せたり、フロントに入れたりするケースが多い。それに優勝メンバーなら人気もある。今回のスタッフ選びは能力そのものより、フロントの情実やコネと商売を兼ねた人事です」(担当記者)

 コネや情実とはむしろ正反対、とことん能力にこだわった日本ハムのコーチ人事ははたして、東西の人気球団に代表されるプロ野球界に一石を投じたことになるのかどうか――。

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