キリンC決勝先制弾で存在感 清武がセビージャ移籍へ前進
ボスニア・ヘルツェゴビナ戦の敗戦を告げるホイッスルが鳴った瞬間から、険しい表情を崩さなかったのが、日本で唯一のゴールを奪ったFW清武弘嗣(26)だ。
試合直後のテレビインタビューでも、開口一番「悔しいです」と言ってうつむいてしまった。
もちろん清武の胸中は容易に想像できる。
ボスニア・ヘルツェゴビナ戦には、二枚看板のFW本田圭佑(29)とMF香川真司(27)がそろって欠場。トップ下で先発した清武に「攻撃を差配する全権」が与えられた。しかし、チームを勝利に導くことができず、「悔しいです」に続いて「こういう時に結果を出さないと意味がない。ただ残念な気持ちです」と話すと再びうつむいてしまった。
「責任感の強い選手なので、試合後の立ち居振る舞いは“清武らしい”と言えるでしょう。もっとも、清武自身のデキは及第点でした。パス能力の高さも発揮し、中でもボランチなどから縦パスを引き出す動きも秀逸だった。倒れ込みながら左足で押し込んだゴールシーンもアグレッシブで良かった。コンディションも上々だったし、キリンカップで存在感を十分に発揮したと言ってもいいでしょう」(サッカージャーナリスト・六川亨氏)