(27)介護、家の管理、相次ぐ出資…すべてが私一人の肩に

公開日: 更新日:

 年が明けてすぐ、実家で父がひっそりと亡くなっているのが見つかった。まさかの出来事だった。私は仕事の手を止めて東京から急ぎ実家に向かい、喪主を務めなければならなくなった。自分の生活がすべて止まった。

 母の主治医から、当面父の死は伝えないようにと告げられた。症状に与える影響が大きいと判断されたからだ。皮肉にも、父の葬儀を終えると、母の介護度を知らせる通知が届いていた。この頃、母の認知機能がかなり下がってきたと病院のケースワーカーから連絡を受けていた。コロナ禍のいきなりの入院で、本人にも理由がよく理解できていなかったことに加え、知る人が周囲にまったくいない。私でもすぐに気持ちがおかしくなってしまうだろう。

 そんなさなかの父の「孤独死」と、それを母に黙っていなければならないという重圧。私は急に、認知症の母と父の不在、そして空き家になってしまった実家を抱えるという、とんでもなく重い立場になってしまったのだ。

 日中は施設、寝るときだけ実家に帰るという父ありきの母の介護計画はあっさり崩れてしまった。しかも、母の要介護度は2。歩行や立ち上がりに手助けが必要だが、食事や排泄などの基本的な生活は自分でできるとされる状態だ。そのため重度の介護が必要とは認められず、特別養護老人ホームへの入所はできない。新たな介護方針を検討するしかなくなった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    激太り危機は今や昔…浜崎あゆみ「激ヤセ説」も「連日ケーキ2個」の健啖ぶり

  3. 3

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  4. 4

    小芝風花&森川葵はナゼ外れた? 来秋朝ドラ「ばけばけ」ヒロインを髙石あかりが射止めた舞台裏

  5. 5

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  1. 6

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 7

    カブス鈴木誠也に「打点王」がグッと近づく吉報 “目の上のタンコブ”スアレスにア・リーグへのトレード情報

  3. 8

    立浪和義の「白米禁止令」は星野仙一イズムの継承だろう…かつては自身も大目玉を食らっていた

  4. 9

    参政党の公党にあるまじき「メディア排除」気質…会見場から神奈川新聞の批判記者を締め出し

  5. 10

    さや氏「略奪婚は人の道に反する」と否定もネットでは“今井絵理子枠”確定の皮肉…胸元露わな妖艶スタイルも