長嶋茂雄さんは「オチャメなおじさん」でもあった。クビにした僕に興奮混じりで放った仰天発言
2001年掲載「橋本清氏 PL巨人ダイエーの内幕」の第2回を再公開
“燃える男”、“ミスター”の愛称で国民的人気を誇ったプロ野球元巨人監督の長嶋茂雄さんが6月3日、都内の病院で肺炎のために亡くなった。享年89。選手、監督として数々の伝説、逸話を残した「ミスタープロ野球」は、身近に接した誰もにそれぞれの「長嶋茂雄像」を強く印象づけてもいる。日刊ゲンダイの連載で多くの球界OBが語ってきたその実像を再構成して緊急公開します。
今回は橋本清氏による「PL巨人ダイエーの内幕」の第2回(2001年掲載)を再公開(本文中の年齢・肩書きなどは当時のまま)。
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受話器を取ったヨメさんが「ありがとうございます」と言いながら、何度も頭を下げている。
電話でペコペコしても相手には見えへんよ。笑いをこらえながらその様子を眺めていたが、ヨメさんに受話器を渡されると、ボクも同じように頭を下げてしまった。
電話の相手は長嶋監督だった。
昨年のONシリーズの翌日、ボクは巨人をクビにされた。直後に王監督に電話で直訴し、受験させてもらったダイエーのテストに合格して胸をなで下ろしていた矢先だった。