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ケニヤッタ小林

ケニヤッタ小林(小林俊一) 1942年、神奈川県生まれ。横須賀高校時代は陸上選手だったが、本人によれば「超二流選手」。早大卒業後にサントリー入社。営業マンとして勤務した後、34歳で退社しケニアに行く。スワヒリ語を学び、ケニア陸連、ケニア五輪委員会に顔を売り、スポーツライター兼スタッフとしてケニア・ナショナルチームに同行。五輪や世界陸上を取材。同時にケニア人ランナーを日本の高校、大学、実業団チームに斡旋。ケニア在住39年。

<第1回>約70人のケニア人を連れてきて3人が五輪メダル

公開日: 更新日:

「おまえらは走る出稼ぎ労働者。酒と女は厳禁だ!」

 そう叱咤激励する小林氏に、忠実に従った1人がワンジルだった。首都ナイロビから300キロ離れた、小林氏が“心の聖地”と語る海抜2200メートルの町・ニャフルルで出会っている。

「サバンナを裸足で走っていたね。15歳で5000メートルを14分で走った。まあ、いかに速くとも私は小利口な奴はノーサンキューだけど、ワンジルは純朴な少年でね。『畑を耕すよりも、日本で走れ』というと喜んでた。ワキウリもワイナイナも貧しさに耐え、私に声をかけられるのを待ってたのよ」

 こうして宮城県の仙台育英高に留学したワンジルは、全国高校駅伝で3年連続区間賞の快走を見せ、卒業後はトヨタ自動車九州に入社。駅伝で活躍し、ハーフマラソンでは世界新記録を樹立した。

 ところが、2年後に北京五輪を控えた頃だ。

「チームは駅伝の練習ばかり。ボクはマラソンの練習をし、北京で金メダルを狙いたいです……」

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