長谷川穂積の電撃引退に「もっと見たかった」と惜しむ声

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 まだまだやれる――そう思ったファンも多いだろう。

 9日、ボクシングWBC世界スーパーバンタム級王者の長谷川穂積(35)が引退を発表した。

「今が一番美しいかなと思った。前回の試合で自分が証明するものがなくなった。心と体が一致して王者になることを目標にしてきたが、それが前回(の世界戦で)達成できて、それ以上の気持ちをつくることが難しくなった」

 会見でこう話した長谷川。9月に前王者のウーゴ・ルイスと凄絶に打ち合い、9回TKOで5年半ぶりに王者に返り咲いたばかりだ。これまで何度も引退が囁かれながらの復活劇は、多くのボクシングファンの共感を呼んだ。

 日本ボクシングコミッション元事務局長の森田健氏は「驚きましたよ」と、こう話す。

「引退会見前日の8日、長谷川の所属する真正ボクシングジムの山下会長に会った時は、ひと言も言っていませんでしたからね。私自身、長谷川の試合はもっと見たかった。近年は打たれたら足を使って逃げ回るボクサーが多いが、長谷川はその逆。打たれたら前に出て打ち返し、チャンスと見たら躊躇せずに畳み掛ける。それが本物のボクシングであり、長谷川のスタイルでもあった。でも、35歳はボクサーとしては高齢ですからね。9月の試合でも流血したように、自身のダメージも深刻だったはず。本人の健康などを考えたら、仕方ない面もあるでしょう」

 ボロボロになるまで戦って去るのも一つの形だが、惜しまれるうちが花、という言葉もある。生涯戦績は41戦36勝(16KO)5敗。17年間の現役生活に幕を閉じた。

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