土俵際でエビ反り逆転 十両全勝“業師”宇良を舞の海氏絶賛

公開日: 更新日:

 角界きっての業師が観客はおろか、親方衆の度肝をも抜いた。

 十両で全勝の宇良(24)の相手は、幕内経験者の豊響。173センチ、128キロの宇良に対し、豊響は185センチ、183キロ。体格差はいかんともしがたく、宇良は土俵際に追い詰められ、徳俵に両足が乗った状態で豊響の両手突きを食らった。これで万事休すと思われたが、ここからが宇良の本領発揮だ。

 背中が半円を描くほどのエビ反りでこらえると、即座にしゃがみ込み、立ち上がる勢いで豊響を押し返した。最後は左足をすくうように、渡し込みで豊響に土をつけた。

 これには現役時代、「技のデパート」として知られた解説の舞の海も、「普通の力士だったら、腰を悪くしますよ」と目を白黒だ。

レスリングの水車落としのような大技・居反りを引っさげて15年に木瀬部屋に入門。当時は107キロしかなかったが、筋トレやサプリメント摂取などで、現在は128キロと着実に体が大きくなっている。この日も執拗に足を取りにいったように、柔軟性を生かした型にはまらない相撲が魅力。師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は『この相撲で幕内に行ったら人気力士になれる』と話していたが、すでに人気は幕内上位力士以上。勝敗より相撲内容で沸かせられる、数少ない力士です」(相撲記者)

 幕内に上がってくる日が待ち遠しい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 格闘技のアクセスランキング

  1. 1

    2世力士・藤ノ川成剛が受け継ぐ伝統とDNA…大学のスカウトを蹴った裏に父の助言

  2. 2

    本名力士・草野直哉は“白鵬騒動”に翻弄された照ノ富士の元付け人…雑用卒業でいよいよ本領発揮

  3. 3

    “ケチ付き昇進”横綱豊昇龍がまた休場…名ばかり横綱だった先輩2人との「いや~な」共通点

  4. 4

    横綱大の里に舞の海氏「深刻な病、悪い癖」…V戦線に踏みとどまるも方々から辛辣意見殺到

  5. 5

    悲願の初V琴勝峰“らしくない”強気相撲はケガの功名…大関・横綱級の大器が「ひたすら前に出て攻めた」理由

  1. 6

    いとうあさこ似を自認・琴栄峰央起の“美四股”は角界随一、兄・琴勝峰の影響で高卒プロ入り決意した

  2. 7

    大の里は4つ目の「金星」配給で新横綱V完全消滅…不名誉極まりない“新記録”のオマケ付き

  3. 8

    大相撲平幕Vが早くも「平成31年間の9人」に並ぶ… 今後も止まらぬ番付崩壊、プロアマの差はないも同然

  4. 9

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  5. 10

    “金星プレゼンター”横綱豊昇龍に必要な叔父の図太さ…朝青龍は巡業休んでサッカーしていた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃