打撃力は確実成長も…スカウトが逡巡する早実清宮の脆さ

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「仮に今年、プロ志望届を出したら? 話題性込みでようやくドラ1かな。でも、うーん……」

 ネット裏のあるスカウトがこう言って首をひねる。2回戦で敗退した、早実(東京)の清宮幸太郎(3年)のことだ。15年夏は1年生ながら2本塁打を打ち、ド派手な甲子園デビューを飾った。あれから2年、成長の跡はあったのか。日本ハムの山田スカウト顧問は「高校時代の大谷を彷彿させます」と、こう話す。

「大谷が甲子園で三直を放った時は、バットの軌道が分かりづらかった。トップの位置から無駄な動きがなく、最短距離でバットが出ていたからです。清宮もそういったスイングをする。もともと、選球眼の良い打者。1年時と比べればフォロースルーが大きくなり、中堅から左翼、反対方向への打球も増えている。成長しているのは間違いありません」

■早大進学も選択肢

 問題は心技体の「心」と「体」だ。冒頭のスカウトが言う。

「好打者は好打者だが、スイングスピードやパワー、下半身の強さはかつての清原や松井はもちろん、筒香(DeNA)や中村(西武)の高校時代と比べても劣る。早実は猛練習をするところじゃないし、体力自体も疑問だ。精神面では、3年春にもかかわらず、いまだに大学進学を選択肢に入れているのが気になる」

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