現場復帰に意欲 落合監督という“劇薬”を飲む球団は出るか

公開日: 更新日:

 ただし、結果は残す。

「ヘタクソがうまくなるためにはどうするか。弱い者が強くなるにはどうするか。練習するしかないだろ」とシンプルな方針の下、選手には一切の妥協なき猛練習を課す。他球団では3勤1休、4勤1休が当たり前のキャンプは6勤1休のハードスケジュール。それも、選手によっては、朝9時から夜7時まで動きっぱなしというのがザラだった。当時、落合監督に頼まれて「臨時打撃投手」としてキャンプを手伝った評論家の橋本清氏は、「初日は90分間、2日目は100分間、休みなしで投げっぱなし。球数にして1日500球超は投げた。痛み止めを何錠も口に放り込みましたよ。とにかく異常と言っていい練習量。それをこなす選手も凄いけど、日が暮れるまで付き合うコーチも大変です。相当な覚悟がなければムリ。落合さんに正直な感想を伝えると、『結局、ペナントレースは体力勝負。当たり前のことをやってるだけ』と平然と言っていました」と振り返る。

 そうして徹底的に鍛え上げた選手を活用し、大した補強もせずに、監督8年間でリーグ優勝4回に日本一1回。選手に一度もBクラスを経験させなかった。落合監督が就任するまでの中日は、4年連続でV逸。20年間で優勝2度、53年間も日本一から遠ざかっていたチームが、監督落合で劇的に変わったのは事実だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 3

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 4

    ソフトB近藤健介の原動力は「打倒 新庄日本ハム」…憂き目にあった2022年の“恩返し”に燃える

  5. 5

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  1. 6

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  2. 7

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  3. 8

    巨人無残な50億円大補強で“天国から地獄”の阿部監督…負けにお決まり「しょうがない」にファン我慢限界

  4. 9

    藤浪晋太郎に日本復帰報道も、古巣阪神出戻りは「望み薄」…そして急浮上する“まさか”の球団

  5. 10

    阪神・藤川監督が報道陣と連日の長話…“豹変”の裏に株主総会での「リーダーの資質ナシ」痛烈批判

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  2. 2

    「自公過半数割れ」後の大政局…反石破勢力は「高市早苗首班」で参政党との連立も

  3. 3

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  4. 4

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    トップ清水賢治社長に代わったフジテレビの“アニメ推し”が目に余る

  2. 7

    参院選和歌山「二階vs世耕」は血みどろの全面戦争に…“ステルス支援”が一転、本人登場で対立激化

  3. 8

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  4. 9

    長嶋茂雄さんの引退試合の日にもらった“約束”のグラブを含めてすべての思い出が宝物です

  5. 10

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった