元川悦子
著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

松井大輔<2>「外国人監督には意思を示さないと難しい」

公開日: 更新日:

「そういうタイプの監督とうまくやる処世術を選手側が身に付けていたら良かったのかな……。自分の場合、言葉が分からないうちは、何でも『ウィ』と返事をしていました(笑い)。『ノン』と言えるようになったのは、フランス語が分かり始めた2年目くらいから。もちろん失敗もありましたけど、やっぱり外国人監督相手には意思を明確に示さないと難しい。僕はそう感じています」

 ハリル解任という大ナタが振るわれ、西野朗監督が代表指揮官に就任した今、外国人監督招聘論はしばらく出てこないかもしれない。ただ、FIFAランク60位の日本サッカー界が、海外から学ぶべきことはまだまだある。この先、フランス系指揮官を拒絶するのは決していいことではない。

 2002年日韓W杯を率いたトルシエ監督は個性派集団をまとめ、16強という成果を収めた。やり方によってはうまくいく可能性もある。ハリルが再来日した今だからこそ、異文化をどう日本のプラスに消化するか、真剣に論じるべきだろう。

「日本人は『この役割じゃないとできない』と自分を制限してしまう傾向がある。だから欧州では(よりアグレッシブな傾向にある)韓国人の方が使いやすいと言われがちです。大事なのは『郷に入れば郷に従え』。環境に適応しつつ、臨機応変にやる力をつけることが、重要だと思います」

 松井の意見を参考に、日本代表を担う面々に一層の飛躍を期してほしい。

(この項おわり)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

  2. 2
    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

  3. 3
    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

  4. 4
    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

  5. 5
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  1. 6
    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

  2. 7
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 8
    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

  4. 9
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異