W杯の見どころは?CR7とネイマールを最も知る日本人が解説

公開日: 更新日:

 サッカー選手としては3人ともタイプが違う。ロナウドの武器は、ストイックなまでに鍛え上げた肉体だ。

「チャンピオンズリーグで準決勝進出を決めたユベントス戦でも、アディショナルタイムに強靱な肉体を生かしたヘディングを見せて、相手のファウルを誘っていましたよね。彼の肉体は少年時代から鍛えられてきたものです。12歳でポルトガルの名門スポルティングに入ってからは、チームの練習後に、こっそりジムでトレーニングしていたほど。チームで禁止している個人練習をやっていると知ったフィジカルコーチも、最後は折れて特別メニューをつくって渡すようになったのです」

■サッカー第一で導いた代理母出産

 サッカー第一の姿勢は子育てにもあらわれている。

「彼には子供が4人いますが、母親が分かっているのは一番下の子供だけで、あとは代理母に出産させています。本人は父親を早くに亡くし、活躍する姿を見てもらえなかった。それで若くして子供を持ち、父親として成長を見守ってあげたいと考えたのです。ただし結婚するとサッカー優先の生活ができない。それで出した結論が代理母による出産だったのです」

 ネイマールとメッシはサッカー選手としての才能でロナウドを上回る。

「ネイマールは、久しぶりに登場したブラジルらしいクラッキ(名手)です。タレントを次々に生み出してきたブラジルですが、最近は若くして欧州に渡るケースが多く、いかにもブラジルという選手が育たなくなっています。ネイマールは別格で、技術が高くイマジネーションも豊富。精神面での幼さが残りますが、キャプテンシーを発揮してチームを優勝に導く可能性は十分にあると思います」

 メッシは、誰もが認めるナンバーワンでオンリーワンのプレーヤーだ。南米予選ではエクアドル代表との最終節でハットトリックを決め、チームを17回目のワールドカップ出場に導いた。

 3人が輝けば、熱い大会になりそうだ。

▽たけざわ・さとし 上智大学外国語学科卒業後、1985年から8年間、ポルトガル、スペインに滞在した。日本人で最もロナウドとネイマールを取材しているスポーツライター。近著は「クリスティアーノ・ロナウド 生きる神話、知られざる素顔」。訳書の「ネイマール 父の教え、僕の生き方」もベストセラーになっている。

(取材・文 二口隆光/日刊ゲンダイ

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑