著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

メジャー選手の息の根を止める4つの「キャリアエンダー」

公開日: 更新日:

 逆にツインズの守護神だったグレン・パーキンス、カブスのエース格だったマット・ガーザはこの「肩の関節唇断裂」がキャリアエンダーになった。2000年代にメジャーを代表する投手になると思われたマーク・マルダーとマーク・プライアーもこれがもとで短命に終わった。

■胸郭出口症候群

 これは胸から腕に延びる血管や神経の束が鎖骨の周辺で圧迫され、腕や手指にしびれや痛みが生じる疾患で、球速が目に見えて落ちる。

 ハイメ・ガルシア(ブルージェイズ)は1年近いブランクを経て何とか復帰できたが、レンジャーズの左のエースだったマット・ハリソン、レッドソックスの元エース、ジョシュ・ベケット、カージナルスの元エース、クリス・カーペンターはこれがキャリアエンダーになった。

 このほか、脳震盪後症候群、膝の前十字靱帯断裂もキャリアエンダーとなりうる。

 メジャー屈指の捕手だったジョー・マウアーは守備中にファウルチップが頭を直撃したことで、脳震盪後症候群のひとつの症状である、めまいに苦しむようになり、一塁手への転向を余儀なくされた。同じくメジャー屈指の捕手だったビクター・マルチネスは膝の前十字靱帯断裂によりDH専業になった。

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