消えた乱闘文化…“仲良し選手”のプロ野球に一抹の寂しさ

公開日: 更新日:

 この日のDeNA対阪神戦の一回表。DeNA先発・今永の4球目が福留の右肩に。福留は2、3歩、マウンドに近づくと声を荒らげた。5月1日にも今永に当てられているから、「すわ乱闘か!」と思われたが、結局、福留はそのまま一塁へ歩いた。

 少し前までプロ野球には乱闘はつきもの。死球やラフプレーを巡って、両軍ベンチから選手が勢いよく飛び出すことは珍しくなかった。ところが、最近ではそんな光景はめっきり減った。「侍ジャパン」が結成され、異なる球団の選手との交流が盛んになり、毎年の交流戦でセ、パの選手が顔を合わせることも増えた。オフには球団の垣根を越えて選手が一緒に自主トレを行う。乱闘の激減は、「敵」である相手が選手の気持ちの中では「仲間」になっているからだろう。

 大リーグは今も「乱闘文化」が消えていない。今年も4月11日のロッキーズ対パドレス戦で、パドレスの投手がロッキーズ主力打者の背中スレスレに154キロの速球を投げ、両軍入り乱れての殴り合い。5人が退場となった。

 同日のヤンキース対レッドソックス戦でもぶつけたケリー(レ)とぶつけられたオースティン(ヤ)が退場。この試合では故障者リスト入りしていた(大リーグではDLリスト入りしていてもベンチには入れる)サバシア(ヤ)とボガーツ(レ)まで乱闘に参加。罰金処分を受けた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 3

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 4

    ソフトB近藤健介の原動力は「打倒 新庄日本ハム」…憂き目にあった2022年の“恩返し”に燃える

  5. 5

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  1. 6

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  2. 7

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  3. 8

    巨人無残な50億円大補強で“天国から地獄”の阿部監督…負けにお決まり「しょうがない」にファン我慢限界

  4. 9

    藤浪晋太郎に日本復帰報道も、古巣阪神出戻りは「望み薄」…そして急浮上する“まさか”の球団

  5. 10

    阪神・藤川監督が報道陣と連日の長話…“豹変”の裏に株主総会での「リーダーの資質ナシ」痛烈批判

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  2. 2

    「自公過半数割れ」後の大政局…反石破勢力は「高市早苗首班」で参政党との連立も

  3. 3

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  4. 4

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    トップ清水賢治社長に代わったフジテレビの“アニメ推し”が目に余る

  2. 7

    参院選和歌山「二階vs世耕」は血みどろの全面戦争に…“ステルス支援”が一転、本人登場で対立激化

  3. 8

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  4. 9

    長嶋茂雄さんの引退試合の日にもらった“約束”のグラブを含めてすべての思い出が宝物です

  5. 10

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった