著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

10勝5敗のどっちつかず ビリケン稀勢の里の不思議な存在感

公開日: 更新日:

 8場所連続で休場して、周りからは決死の覚悟で出場するだろうといわれていた稀勢の里が、決死の覚悟だかそうでもないんだかよく分からない表情のまま、10勝5敗で秋場所を終えた。これが12勝なら「お、来場所復活だ!」となろうし、8勝なら「ちょっとダメかもよ」となろう。

 10勝! このどっちつかずはナンダ? 稀勢の里の存在意義がだんだん出始めた記念すべき場所として記憶されるかもしれない。強いんだか弱いんだか分からねえ。今場所7連敗で1勝もしてない力士にほんの2突きで押し出されて初白星を差し上げちゃったときに、向正面でテレビ解説してたどうたら親方が、「今の横綱じゃ歯が立ちませんねえ」と言った。今場所全敗の力士に歯が立たない横綱っているのか!

 いるんだ、稀勢の里。

 何とか勝ち越した日に(余裕ぶっこいた)白鵬に「勝ち越せてホントよかった」と言われた。ライバルである横綱に勝ち越しを喜ばれる横綱っているのか!

 いるんだ、稀勢の里。

 ガタイは立派なんだが、ケガして以来、相手を吹っ飛ばすほど強いかっていえば、立ち合いと同時に腰が浮いて吹っ飛ばされる。でも……なんだか笑ってる。ヤケになって親方のおかみさんを突き飛ばしたり、酒癖悪くて素人衆をぶん殴ったり、猫だまし、張り手、ダメ押し、勝ってなんぼってほど地位や名誉に執着がないくせ、どこか人好きがする。負けて花道を引き揚げりゃ、どうしてあげればいいんだろうねえ? とファンはペシペシ体を触れる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝