著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大迫マラソン日本新記録の裏で露呈 陸連“海外進出”の波紋

公開日: 更新日:

 日曜日(7日)に行われたシカゴマラソンで、大迫傑が2時間5分50秒の日本新記録で3位に入った。

 2月の東京マラソンでは設楽悠太が2時間6分11秒で走り、高岡寿成の記録(2時間6分16秒)を16年ぶりに破ったばかり。低迷を続けた日本のマラソンに新しい動きが見えてきた。

 大迫は日本を代表するエリートランナーだった。長野県の名門、佐久長聖高校のエースから早大に進み、渡辺康幸前監督の下で2011年に大学駅伝3冠の原動力となって日清食品陸上部に就職した。その日清を1年で退職して渡米、NIKE社のオレゴン・プロジェクトに参加してマラソンに挑戦してきた。昨年4月のボストンの初マラソンで3位、暮れの福岡国際で2時間7分19秒を出し記録更新は時間の問題と言われていた。

 オレゴン・プロジェクトは、瀬古利彦のライバルだったアルベルト・サラザールをヘッドコーチに「長距離のボルト」と呼ばれる英国のモハメド・ファラー、米国の長距離ナンバーワン、ゲーレン・ラップを中心にした多国籍軍団で、今回もチームで参加してファラーが優勝、大迫が3位、ラップが5位。アフリカ勢に対抗する唯一の集団として活動している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ