プロでメシ食う気概 「問題児」の野球ノートを見て驚いた

公開日: 更新日:

 部長は会議でこう言って、その投手の獲得を猛烈にプッシュした。会議が終わって、部長にどこがどう「気概がある」のか聞いたんだ。

 すると「こんなことを書くヤツのどこが問題児なんだ。たまたま高校の野球部のチームカラーと合わなかったからそう見えただけだろ」と言って見せてくれたのがスマホで撮影した彼の「野球ノート」だった。

 見てたまげたね。そこには、自分は親の反対を押し切ってプロに行こうと決めたこと、ドラフトで指名されてもまだスタートラインに立ったに過ぎないこと、1月の自主トレを目指していま以上に体を鍛えること、そのために毎日やっているトレーニングの中身などが具体的に、しかも、しっかりした字で記されていた。

「プロに入ることを目標にしてる選手は意外と多い。例えば何年か前の入団発表で選手に付いてきた母親は、着物を3着も持ってきて、イベントのたびに着替えてた。息子をプロに入れるのが何よりの目標で、終着点なんだ。そういう親の子供はまず期待できないね。そこへいくとヤツは、両親まで入団発表が入り口だってことを自覚してたからな」

 入団発表でひな壇に立つルーキーたちの姿を見ながら、部長のこんな話を思い出した。

プロ野球覆面スカウト)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  1. 6

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 7

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  3. 8

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  4. 9

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず