元川悦子
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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

ウルグアイ戦で2点 三好康児の名は間違いなく世界に轟いた

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後輩に先を越された屈辱感をバネに

 もともと彼は東京五輪世代でキャプテンも務めてきた看板の1人。2017年U-20W杯(韓国)にも参戦している。だが、同大会イタリア戦で華麗な5人抜きゴールを決め、欧州に渡った1つ年下の堂安律(フローニンゲン)に一足先にA代表デビューされ、さらには4つ年下の久保建英レアル・マドリード)にも追い越される格好になっていた。「小さい頃から日本代表として大きな大会に出るのが目標だった」というレフティアタッカーは屈辱感を覚えていたはずだ。

 主たる要因はジュニア時代から在籍した川崎でコンスタントに出番を得られなかったこと。プロ1年目の2015年はJ1で3試合、16年は15試合、17年は13試合と足踏み状態を強いられた。そして18年には札幌へレンタル移籍に踏み切る。そこで森保監督の師でもあるペトロヴィッチ監督に重用され、自信を手にした。

 さらに今季は横浜へ2度目のレンタルに出て、目覚ましい働きを披露。現時点で3得点を挙げている。ただ「決めるべきところで決められないのが課題」と札幌時代の四方田修平ヘッドコーチに指摘された通り、決定機をモノにできない勝負弱さを露呈することも少なくなかった。

 そんな22歳のアタッカーがコパアメリカの大舞台でいきなり2点を叩き込んだ。しかもゴディン、ヒメネス(ともにアトレチコ・マドリード)という強力DF陣相手にだ。前日には「国と国との勝負なので特別意識することはない」と冷静にコメントしていたが、その落ち着きを本番でも出し切ったのは賞賛に値する。

 A代表の2列目サイドは中島や原口元気(ハノーファー)、乾貴士(アラベス)らが陣取る最大の激戦区。そこに堂安、久保に続いて三好も力強く名乗りを挙げた。熾烈な競争を勝ち抜くためにも、24日のエクアドル戦(ベロオリゾンテ)でも継続的にゴールという結果を出すことが求められる。真価を問われるのはここからだ。

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