第1回W杯は3連敗したものの完敗だったとは思っていません

公開日: 更新日:

 最終テストマッチ後に行われた「フェアウエルパーティー(遠征最後の晩餐会)」でした。フランス協会の会長が、記念品として雄鶏のモニュメントを全員に授与したのですが、僕の名前が呼ばれた瞬間に会場が拍手喝采に包まれたのです。記録に残らないワンシーンですが、僕にとっては最高の勲章であり、自分のプレーをフランス代表の全員が称えてくれたことは大きな自信となりました。

 神戸製鋼時代に開催された1987年の第1回W杯には、ジャパンのキャプテンとして出場しました。結果としてはアメリカ、イングランド、オーストラリア相手に3連敗を喫してしまいましたが、世界との差を痛感するほどの完敗だったとは思っていません。

 最大の敗因は、ゲームフィットネスの違いが挙げられるでしょう。

 チームというのは、一定の期間を一緒に過ごして試合を重ねることで調子が上がるものですが、当時のジャパンにはその概念がなく、そもそも選手も社業で忙しくて、W杯前に長期合宿をすることもできませんでした。

 今思えば、初戦のアメリカ戦にピークを合わせていたら3点差で負けることはなかったと思いますし、3試合目のオーストラリア戦の試合内容が最も良かった理由も、ゲームフィットネスが上がったからでした。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する