左胸肉離れで全治6週間…貴景勝に稀勢の里の“二の舞”不安

公開日: 更新日:

 力士生命を左右するケガになるかもしれない。

 御嶽海の2度目の優勝で幕を閉じた大相撲9月場所。その御嶽海と優勝決定戦を行った貴景勝(23)の負傷が23日、明らかになった。

 千賀ノ浦親方によれば「左大胸筋の肉離れ」で全治6週間。親方は「完全な(筋肉)断裂でなかったのはよかった」と話したものの、稀勢の里(現荒磯親方)と同じ箇所というのが気がかりだ。

 稀勢の里は2017年3月場所で左大胸筋断裂の大ケガ。この負傷で得意の左おっつけが使えなくなり、今年1月場所中の引退につながった。貴景勝は突き押しを武器にする力士。相手を「押す」際に胸にかかる負荷は、まわしを「引く」四つ相撲のそれ以上だ。

 ある親方は「問題はケガの程度より、その原因です」と、こう話す。

「おそらく、貴景勝の体が自身の力に耐えられなかったのではないか。瞬発力に優れた力士が瞬間的に120%の力を出し、負傷した例は過去にもある。稀勢の里が筋肉断裂の大ケガを負ったのも、自身の左おっつけのパワーが原因といわれている。貴景勝の場合は、立ち合いで渾身の押しに御嶽海の出足鋭い当たりがぶつかったことで、想像以上の負荷がかかったのではないか。力の出し過ぎでケガをしたとなると、今後、無意識に力をセーブしかねない恐れもある。ケガが癒えた後も稀勢の里が左おっつけを使えなかったのは、『またケガをしたら……』という恐怖心があったからだろう」

 手術はしないという貴景勝は秋巡業の欠場が確実。11月場所も絶望的だ。大関復帰と引き換えに、厄介なものを背負いこんでしまった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み