著者のコラム一覧
永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

大番狂わせの舞台裏 日本代表が証明した「失われた3年間」

公開日: 更新日:

ロシア戦よりキックが減りパスが増える

 そんな窮地を救ったのが、前回大会を経験した選手たちだった。

 キャプテンのリーチマイケルはHCとの“ケンカ”も辞さずに意見を言い、堀江翔太やトンプソン・ルークは、常にピンチで体を張ってチームを支えてきた。

 極めつきは、当初は「サイズを重視する」HCの方針でメンバー外だった福岡堅樹が、先発予定だったウィリアム・トゥポウのケガで急きょ控えに入り、後半に出場するや、逆転トライを決めたことだ。

 開幕戦で3トライを挙げた松島幸太朗も前回大会の経験者。W杯の大舞台で結果を残したのは、HCではなく、何度も修羅場をくぐった選手たちだったのだ。

 ちなみに、この試合で日本がキックを蹴った回数は22回。ロシア戦の36回を大きく下回る。代わりにパスはロシア戦よりも多く、ボールを簡単に手放さなかった。

 つまり、HCが提唱した「キッキングラグビー」ではないスタイルで、日本は輝かしい勝利を挙げたのである。

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