“後継者”朝乃山を奇襲で退け…白鵬白星にも笑顔なしの真相

公開日: 更新日:

 白鵬(34)と朝乃山(25)は、ともに右四つを得意とする力士。衰えの見えるベテラン横綱が、成長著しい若手の挑戦をはねのけるのか? それとも新小結が世代交代を印象づけるのか? 固唾をのんで見守ったファンは多かっただろう。

 そして迎えた結びの一番。白鵬が立ち合いで選んだのは、意外にも右張り手だった。掌底さながらの激しい張りを相手の左頬に叩き込むと、同時に右に変化。すかさずもろ差しになり、すくい投げで朝乃山を投げ飛ばした。

 前日の黒星から一転して、強敵を完封。しかし、花道を引き揚げる白鵬の表情は険しいままだった。

 ある親方は「あれしかなかったのだろう」と、こう続ける。

「白鵬が張り差しをするときは、ほとんど左手を使っていた。それがこの日は右でしょう? しかも変化までしている。つまり、最初から朝乃山と組む気はなかったということ。なぜ右に変わったかといえば、朝乃山に右下手を取らせないため。さらに利き腕である右手の張り手は、左のそれより強烈です。いわば白鵬の作戦勝ちと言ってもいいが、裏を返せば『組んだら不利』と認めたようなもの。おそらく、自分でも喜べない勝利だったのではないか」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する