奥川は「高め直球とカット習得」が成功のカギ 専門家解析

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 ――その点で奥川は、カットボールを習得し、フォークに磨きをかける意思があるようです。

「カットのように小さく変化する球は一番使えると思います。フォークについても、高校時は真下に落ちるというより、引っかかってカット気味に曲がっていくような球。右打者はまだしも、左打者には結構、危ない球になるかもしれない。

 スライダーの握りの写真を見ると、今の握り方では指の<腹>の部分でリリースするしかなく、どうしてもスピードは落ちてしまう。奥川投手は、カットのように、できるだけ指先でリリースする変化球を身に付けることが必要かもしれません」

 ――変化球でいえば、昨夏の甲子園決勝で履正社・井上(阪神2位)に高めに抜けたスライダーを本塁打されました。

「右打者が一番手が伸びるコースで、危ない球でした。奥川投手の特徴はリリースポイントが高い位置にあること。これが大きな出力を得る要因になっているとも思うので、フォームをどうこうするというより、高めをいかに使うかということの方が大事になってくると考えられます」

 ――リリースポイントが高いと、ボールが高めに浮くことがありますが、むしろ高めを生かすということですか?

「これからは高めを使う投手が増えてくると思います。奥川投手は入射角が高いので、(捕手のミットに向かって)下向きの角度が生まれます。ただ、大事なことは、どのコースに投げるかです。奥川投手の直球は高めであってもホップします。リリースポイントの高さをそのまま生かすなら、高めの真っすぐと速いスライダーのコンビネーションを上手に活用するスタイルになるのではないでしょうか」

 ――奥川はキレイな回転軸があるので、体づくりをして、平均球速や回転数が上がると、さらに打者が伸びを感じそうです。

「そうですね。その上で緩急や奥行きを使えるようになれば、すごい投手になるかもしれません」 

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