タイリーグ2部コーンケン・ユナイテッド 神戸清雄監督インタビュー<中>

公開日: 更新日:

タイのことを日本人は分かっていないと感じることも

 2009年に中京大OBでFC琉球のユース監督などを歴任した滝雅美(47)がタイ・ホンダFC監督に就任。タイリーグ初の日本人監督となった。それから多くの日本人監督がタイで采配をふるうようになり、2015年には1部ナコーンラーチャシーマーFC神戸清雄監督、2部のチェンマイFC三浦泰年監督、アユタヤFC副島博志監督、ソンクラー・ユナイテッド林雅人監督、BB-CU FC高野剛監督、アントーンFC行徳浩二監督、タイ・ホンダFC滝監督と7人もの日本人指導者がタイでしのぎを削った。そして2020年T1開幕戦。前年T1王者のチェンライ・ユナイテッドの滝監督vsサムットプラーカーン・シティの石井監督(元鹿島監督)の日本人監督対決が実現して大きな話題を集めた。プロ監督としてタイサッカーに着実に根をおろして日々、奮闘を続けている神戸監督の直撃リポート第2弾である。

  ◇  ◇  ◇

 ――タイではずっと単身赴任と聞きました。タイ生活は慣れましか?

「7年目ですからね。こちらでの生活は、たとえ(指揮を執るチームが変わって)場所が変わっても、不自由なく暮らしています。タイの水が合っているのでしょうね」

 ――もともとタイと日本とは親密な関係性があります。サッカーもまた然り。日本人選手が60人前後、プレーしていたシーズンもありました。

「タイの人々は日本という国を大変に尊敬してくれ、日本人に対しても好印象を持ってくれています。しかし、タイという国を、タイの人々のことを日本人は分かっていないと感じることがありますし、タイサッカーも理解していただけていない部分もあります。アンバランスな部分が改善されたら、サッカーにしてもチーム同士の交流、選手の行き来が、もっと活発になると思っています」

■「国力アップとともに東南アジアのサッカーは急発展しています」

 ――タイも含めた東南アジアサッカーのポテンシャル、将来性について聞かせてください。

「タイをはじめとしてマレーシア、ミャンマーなどは日本よりも強い時代がありました。フィリピン、カンボジア、インドネシアなども、国力アップとともにサッカーが急激に発展しています。この先、東アジアや中東諸国の強豪と肩を並べられるようになれば、アジア全体がレベルアップすると思います」

 ――コーンケン・ユナイテッドでの平均的な一日を教えてください。

「午前7時に起床してタイの豊富な果物とヨーグルトをタイ・ティーと一緒にいただくのが日課です。午前9時にクラブのオフィスに行き、練習の準備や次節の対戦相手の分析などをやり、午後4時からトレーニングを行います。これからもっと暑くなり、日も長くなるので練習時間は午後4時30分、午後5時スタートと変化していきます。夕食は毎日、住まいの近くのマーケットでタイ飯を買って食べています。辛さやパクチーなどの香草も平気なので、食べ物に関しては何の不自由も感じていません」

 ――気分転換の時間などはありますか?

「基本的にサッカー漬けの生活ですが、時間を見つけてタイ・マッサージに行って体をリフレッシュさせることもあります。アウェーの試合でいろいろな土地に行くので当地の旧跡、名所、寺院などを訪問することもあります。タイ生活も長くなり、どこにでもひとりで行けるようになりました。タイは首都バンコクや観光地で有名なプーケットが<本当の姿>ではありません。むしろ私が今、働いているコーンケンもそうですが、赴任する機会の多かったイサーン地方(タイの東北エリア)にタイの<本当の姿>を見ることができるのではないでしょうか」 =つづく

(取材・文=絹見誠司/日刊ゲンダイ)

▽かんべ・すがお 1961年8月2日生まれ。静岡県藤枝市出身。静岡高ー早稲田大から本田技研サッカー部。現役引退後はJFA国際貢献事業の一環としてフィリピン、グアム、北マリアナ諸島の代表監督を歴任。国内ではジェフ千葉、名古屋でコーチ。11年には千葉で監督に就任した。13年にタイに渡ってナコーンラチャシーマーFCを皮切りにチェンマイFC、バンコクグラスFC、ウボンUMTユナイテッド、ノンブア・ピチャヤFCで指揮を執り、今季からタイリーグ2部のコーンケン・ユナイテッドでさい配をふるう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • サッカーのアクセスランキング

  1. 1

    イメージ一変? サッカー日本代表FW塩貝健人「もう一つの顔」

  2. 2

    塩貝健人〈前編〉主要5教科は「オール5」も成績評価は“4.9”…慶大FWの強みと意外な弱点(國學院久我山高サッカー部監督・李済華)

  3. 3

    謎多き北朝鮮の「負けたら強制労働」は事実か、日本の敵情分析力はどの程度なのか

  4. 4

    「森保監督体制を継続してはダメなのか」 2連勝発進で“待望論”再燃、後任・大岩剛監督には不安材料

  5. 5

    冨安離脱、板倉不調の森保ジャパン…ロス五輪代表主将・市原吏音を「呼ぶべきだった」

  1. 6

    佐野海舟のプレミア移籍を妨げた“お金の事情” クリスタルパレス入りかなわず独マインツ残留に

  2. 7

    ウルグアイ戦で日本代表初の兄弟同時スタメン! 佐野海舟&航大が持つ“ピッチ外の強力武器”

  3. 8

    塩貝健人〈後編〉偶然なのか、意図的なのか…意見が分かれる代表デビュー戦の決勝アシストを解剖(國學院久我山高サッカー部監督・李済華)

  4. 9

    「本田圭佑2世」松木玖生が代表デビューで一発回答! 初招集・初先発・初シュート・初ゴールの離れ業

  5. 10

    第3次森保ジャパン初招集4人で生き残るのは…鎌田大地&三笘薫の「後継者候補」2人の名前

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  2. 2

    中日来季監督に元巨人・桑田真澄氏が浮上!「すでに球団の意向はまとまっている」の証言も

  3. 3

    打線強化急務の巨人が今オフ、トレード獲得に舌なめずりする日本ハム2選手の名前

  4. 4

    日本ハム助っ人レイエスに「70万ドル請求訴訟」 タティスJr.も敗れた“収入10%契約”の落とし穴

  5. 5

    梅野隆太郎&糸原健斗は戦力外回避か? 気になる阪神ベテラン功労者2人の処遇

  1. 6

    萩本欽一〈49〉駒沢大学でできた若い親友を「おまえらとなんか付き合えねえ」と怒鳴ったワケ

  2. 7

    近藤真彦に「おまえが言うな」の大ブーメラン! timelesz猪俣周杜容疑者への批判コメントで炎上中

  3. 8

    センスなし! 高市政権「内閣広報官」がまたやらかし…日米首脳会談“写真捏造”疑惑が大炎上

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    10.5召集「消費減税国会」へ狭まる高市包囲網 …デタラメ人気取りに自民応援団もカンカン

おすすめ求人情報

事務・オフィスワーク系/建築鉄骨の積算
株式会社丸山製作所 群馬県 前橋市 正社員
月給20万円~35万円
事務STAFF/週払いOK/顧客対応なし オフィスワークデビュー歓迎 時給1700円~ 登録制
株式会社ヒューマン・ライジン 北海道 札幌市 派遣社員
時給1,700円
オフィスワーク事務/データ入力や資料作成、電話・メール対応/面接1回/残業ほぼなし
株式会社マイナビワークス 福岡県 福岡市 正社員
月給20万円~30万円
Sponsored by 求人ボックス