原監督に「今度こそ思ってる野球がやりたい」と呼び戻され
現役を引退し、解説者だった現在の原辰徳監督は、1998年オフに一軍野手総合コーチに就任した。私も同じタイミングで二軍から一軍打撃コーチに。原コーチは打撃、守備、投手、メンタルなど、多方面にアンテナを張っていた。将来的に監督になるためだった。
そして監督就任1年目の2002年、一軍打撃コーチとして共に日本一を経験させてもらった。私はこのシーズン終了後にカープに戻ったが、原監督の第2次政権が始まる05年オフに声をかけてもらい、巨人に復帰した。原監督には熱い口調でこう言われた。
「内田さん、今度こそ思っている野球がやりたい。だから優勝したいんです。力を貸してください。お願いします」
私は意気に感じた。原監督の第1次政権は02、03年のわずか2年間で幕を閉じた。よほど悔しかったのだろう。それから2年。充電中に人の動かし方なども勉強したのだと感じた。