井上尚弥も心配…練習制限がボクサーの感覚と闘志を奪う

公開日: 更新日:

 日本で試合が見られるのはいつの日になるか。

 25日(日本時間26日)、ニカラグアでプロボクシングの試合が開催された。ニカラグアは新型コロナウイルスの感染者が他国に比べて少ないとされている。外務省のホームページによれば、同国は「保健省によれば患者数10人」(20日時点)で「市民団体によれば同245人」(17日現在)。数字に隔たりはあるものの、感染者数が少ないのは確かなようだ。

 とはいえ、日本や米国はとてもボクシングができる状況ではない。WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(27)が25日に米ラスベガスで行う予定だった統一戦も延期になった。

 ボクシングは長時間、顔と顔を突き合わせて殴り合う競技。試合はおろか、ほとんどのジムでスパーリングも制限されている。

 コロナ禍はボクサーにどんな影響を与えるのか。ボクシングに関する著作も多いスポーツライターの織田淳太郎氏が言う。

「スパーやミット打ちができないと、動体視力が衰える。実戦感覚もそうです。『相手がこうきたら、かわしてこう反撃する』なんて、いちいち頭で考えてから動くボクサーはいません。普段から実戦練習を積み、思考を挟まず、反射的に動けるまで徹底的に体で覚えるしかない。この感覚は定期的にスパーをしていないと、どんどん体から抜けていく。それもこれもロードワークでスタミナを維持していればの話です。例えば、ケガで半年休養していたボクサーが元の体に戻すには、倍の1年はかかるといわれています。今は最低限のトレーニングしかできないとなれば、いざ実戦が解禁されても元通りに動けるまで、時間がかかるでしょう」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった