高校生トライアウト実施なら 今年限定でプロ志望届撤廃を
プロ志望届を提出する高校生の希望者を対象に、NPBと日本高野連による「合同練習会」が実施されることが決まった。プロを目指す高校生を対象とする「トライアウト」で、8、9月の週末に行われるという。
コロナ禍により、センバツ、春の大会、夏の地方大会、夏の甲子園が相次いで中止。プロ側主導の救済策である。プロを目指す球児にとって、アピールの場が増えるのは喜ばしいことだ。一方で、誰もが力量を認めるドラフト上位候補が、相思相愛の球団と結託し、あえて参加しない、プレーを見せない、といったことが起こる可能性も否定できない。
トライアウトは今年限り。それなら、今年だけでも「プロ志望届を出さなくていい」という特例を認めてはどうか。プロ入りか大学進学かで迷っているボーダーライン上の「掘り出し物」の選手、プロの評価は高いのに、どこか自信が持てないような選手をすくい上げるメリットの方が大きいからだ。
かつては「退部届」というものがあったが、出していなくても、大学進学が決まっている高校生がドラフトで指名されるケースがあった。こうした「抜け道」を阻止するために導入されたのが、プロ志望届である。現行のルールでは、これを出した選手がドラフト会議当日の対象となっていた。