3試合がサヨナラ試合 初めて観客入れたプロ野球の泣き笑い
拍手や声援があるにもかかわらず、投球がミットを鳴らす音はハッキリ聞こえた。トランペットや太鼓がなければ、打球音がかき消されることもなく、球場にいる臨場感も楽しめる。いっそのこと、このまま鳴り物の応援はやめた方がいいんじゃないか――。
そんなふうにも思ったのが、各球場で今季初めて観客を入れた10日のプロ野球だ。
「皆さんの前でプレーできることに幸せを感じます」
こうコメントしたのはロッテ戦の初回に先制3ランを放った西武の山川だが、観客を迎えて気合が入ったのはどの選手も一緒。この日のナイター5試合はすべて1点差ゲーム、うち3試合はサヨナラ本塁打という劇的な幕切れだったから、応援する方もされる方も満足だったに違いない。
そんな中、勝ちを拾ったといわれるのが甲子園の阪神。2点リードで迎えた五回表2死二塁、先発の青柳が梶谷に適時打を浴びて1点差に。辛くも後続を断ったところで降雨中断となり、試合は結局、コールドゲームになった。「セーブ雨」で阪神は4連勝、選手もフロントも万々歳か。