“長嶋超え”と大騒ぎ 原監督「歴代2位1035勝」の本当の価値

公開日: 更新日:

リーグ優勝してもうれしくない

 巨人OBで評論家の高橋善正氏は、

「戦力があれば勝てるというわけではない。原監督が、毎年の補強で寄せ集めになりがちなチームをまとめるリーダーシップ、マネジメント力にたけているのは事実です。川上さんの1066勝を抜けば、スポーツ紙には今度は『川上超え』の文字が躍るのでしょう。数字上はそうなのでしょうが、監督としての力量まで比べることにはやはり違和感がある。川上さんと当時の巨人は自前で長嶋、王という大看板のONをつくり、その脇を固める黒江、柴田、土井、高田、森といった生え抜き選手も育て上げた。対して原巨人は外様選手の活躍をなくしては語れない部分がやはりある」

 と、こう続ける。

「時にシビアで大胆な采配が評価されますが、それも豊富な戦力があってこそ。小笠原(現日本ハムヘッドコーチ)、杉内(二軍投手コーチ)、村田(二軍野手総合コーチ)、丸ら他球団の看板選手を次々に引き入れ、08年にはクルーン、グライシンガー、ラミレスと同一リーグのストッパー、エース、主砲を一挙に獲得したこともあった。当時はさすがにOB会でも、『こういうやり方でリーグ優勝しても、ちっともうれしくない』という声が出たものです。私も球団に、『巨人の未来のために、もっと生え抜きの若い選手を育ててほしい』と思わず訴えた。オフのFA補強に失敗した今季は、支配下の外国人選手だけで7人も用意してスタート。開幕直後にはそこへ、楽天からウィーラーまで獲得した。野村さんの『原の実績はフロントの手柄』という見方に反論できないところはありますね」

■弱いチームでやってみなさい

 巨人OBの重鎮、広岡達朗氏は以前、さらに手厳しく日刊ゲンダイにこう言っていた。

「巨人の球団会長に『巨人が5連覇したら原を一番弱いチームにやるべきですよ』と言ったことがある。いい選手がたくさんいるチームなら、そりゃ勝てる。弱いチームの監督をやってみなさい。今の原ならとっくに負けてますよ」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変