著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

現役引退した阪神藤川は打たれる姿も絵になる投手だった

公開日: 更新日:

■ウッズに決勝アーチ被弾

 その一方で、球児といえば苦い記憶も多い。08年の北京五輪準決勝の韓国戦で浴びた同点打、09年のWBCでの不振、それによって準決勝と決勝のクローザーをダルビッシュ有に譲るかたちになったこと。

 また、現監督の矢野燿大の引退試合として予定された10年の横浜(現DeNA)戦で村田修一に逆転ホームランを打たれ、矢野の出場がなくなってしまったことも印象深い。

 00年代に何度も熾烈な優勝争いを演じた中日戦では、敵の4番・ウッズに痛い場面で火の玉ストレートを打ち返されたこともあった。特に08年のCSファーストステージ第3戦でウッズに打たれた決勝ホームランは一番の思い出かもしれない。阪神のCS敗退を決める被弾だったが、その年で勇退する当時の岡田彰布監督は「球児で終われて良かった」と言った。

 球児は打たれる姿も絵になる投手だった。鬼気迫る形相で投げ込む火の玉ストレートが時として木っ端みじんに粉砕されたとしても、周囲の誰もが納得できるところ。その姿に漂う絶対的クローザーとしての悲壮感。それこそが彼をレジェンドたらしめたのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動