楽天・田中将の右肘を蝕む地元ファンの重圧と米再挑戦願望

公開日: 更新日:

 復帰フィーバーに沸いている。

 28日、前ヤンキースの田中将大(32)が古巣の楽天に復帰することが決まった。2年契約で年俸は日本球界最高となる9億円プラス出来高だ。

【写真】この記事の関連写真を見る(12枚)

■メジャー経験者2人は活躍に太鼓判

 日本時代(2007~13年)は13年に無傷の24連勝を果たすなど、7年間で99勝35敗、防御率2・30と圧倒的な成績を残した。

 しかし、日本とメジャーでは野球の環境やスタイルが大きく違う。ボールやマウンドの仕様はもちろん、打者のタイプ、タイミングの取り方などに差異もある。慣れ親しんだ日本に帰ってくるとはいえ、期待通りの活躍ができるのか。

 ロッテや米インディアンスで活躍した小林雅英氏はこう見る。

「ヤンキースなどでプレーし、広島に復帰した黒田博樹もそうでしたが、あのレベルの選手なら、日本に復帰してもそれほど苦労することはないでしょう。しかも田中は、黒田よりも若い年齢で日本に戻ってくる。日米のボールの違いはよくいわれることですが、日本のボールの方が明らかに投げやすいので問題ないでしょう。今は国際試合が増えた影響もあり、12球団の本拠地は硬めのマウンドが多い。開幕までまだ2カ月ありますし、時間をかけながら、アジャストしていくのではないか」

 巨人、レッドソックスで活躍した後、ソフトバンク入りして日本球界復帰。その1年後に、アスレチックスでメジャー復帰を果たした岡島秀樹氏もこう話す。

「ヤンキースのキャンプを取材した経験があるのですが、非常に適応力のあるピッチャーだと感じました。なのでボールやマウンドで苦労する心配はほとんどないと思います。日本の統一球はメジャーの公認球と比べて小さくて軽い。なのでむしろ扱いやすいのではないでしょうか。日本のマウンドはメジャーより軟らかいと言われますが、最近はどの球場のマウンドも以前より硬く、よりメジャーに近いものになっていますから。日本に戻ってきても期待できると思いますよ」

 とはいえ、不安がないわけではない。日米の打者のタイプの違いが投球に影響する可能性を指摘するのは、西武OBで、メジャー中継の解説を務める三井浩二氏。

「率直に言えば、今の田中は24勝したときの田中ではない。ある意味で、ピークは過ぎている。日本にいた当時の投球をイメージしていると『あれ?』となるかもしれません」と、こう続ける。

「田中はメジャー移籍前は直球とスライダーで押すスタイルでしたが、メジャーではスプリットを多投し、ボールを動かす投球スタイルになった。果たして、日本でそのスタイルをどうするのか、気になるところです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束