著者のコラム一覧
澤章東京都環境公社前理事長

1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。YouTubeチャンネル"都庁OB澤章"を開設。最新作に「ハダカの東京都庁」(文藝春秋)、「自治体係長のきほん 係長スイッチ」(公職研)

小池知事“二正面作戦” 五輪成功なら手柄、中止で責任転嫁

公開日: 更新日:

 菅首相の前のめりが止まらない。7月末までに新型コロナウイルスワクチンをできるだけ全国に行き渡らせ、「何が何でも東京オリンピック・パラリンピックを開催」という既定路線を変更する気はないらしい。

 初志貫徹といえば聞こえはいいが、国民を置き去りにしてIOC(国際オリンピック委員会)の貴族集団と心中する気満々なのだ。アルマゲドンならぬ、まるでスガマゲドンと表現すべき終末的な状況である。

 この賭けのリスクは小さくない。なぜなら、感染力が従来株の2倍以上といわれる「インド株」が「イギリス株」に置き換わるのは、これからだからである。頼みの綱のワクチン接種が計画通り進んだとしても、医療従事者と高齢者止まりだ。緊急事態宣言の再延長が明ける6月20日以降に「インド株」が猛威を振るい始めれば、五輪開会の7月23日前後の感染状況は悲惨なものになりかねない。

■都ファの幹事長談話は予想通り

 こんな菅首相の暴走状態を尻目に、笑いをこらえ切れないのは小池都知事その人である。5月28日、都議会第1党の「都民ファーストの会」(都ファ)は、五輪開催に関して「都民の命と暮らしを守り抜くためには、再度の延期も含むあらゆる選択肢を視野に入れるべき」との幹事長談話を発表した。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々