岩田健太郎氏「万にひとつでも東京五輪が成功すると日本の感染症対策が死ぬ」

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岩田健太郎(感染症専門内科医)

 東京五輪は一種の「Go To キャンペーン」ですよ。

 昨年7月、Go To トラベルが実施される直前、政府の感染症対策分科会の尾身茂会長は「移動自体が感染拡大につながらない」などと言っていましたが、旅行には飲食などさまざまなイベントが含まれています。結局、Go To トラベルが感染拡大に影響を与えることを示唆する論文が出ましたね。

 東京五輪は全国から観客やボランティアがやってくる。彼らが日帰りの直行直帰をするのか、はなはだ疑問です。現在、東京都や埼玉県では1人の感染者から何人に感染が広がるのかを示す「実効再生産数」が「1」を超えています。つまり、感染が拡大傾向にある。それなのにどうして東京五輪を開くのでしょうか。明らかに矛盾しています。

■「バブル方式」の意味すら知らない大会主催者側

 感染リスクがあるのは一般人だけでなく、選手らも同様です。政府や都、大会組織委のずさんなバブル方式がそれを物語っている。

 成田空港でウガンダ代表選手1人が感染していることが分かりましたが、大きな問題点が2つありました。まず、成田空港では濃厚接触者の判定が行われず、あろうことか残りの全員が同じバスで大阪の宿泊施設に行きました。そんな対策をしていたら後日、新たな感染が判明したのです。本来ならば、同じ飛行機で長時間一緒に移動していたのだから、全員の感染を疑い、成田空港で選手らを個別に隔離して検査を繰り返すべきでした。

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