井上康生監督の後任は鈴木桂治氏が有力…日本柔道男子の課題は「100キロ超級の復活」

公開日: 更新日:

 日本柔道は今大会、個人戦で史上最多の9個の金メダルを手にした。ただ、混合団体では次回開催国のフランスに1勝4敗と圧倒され、銀にとどまった。井上監督は「これが現状。世界の柔道は発展している」と言った。前出の木村氏は、「仮に鈴木コーチが監督になれば」と前置きした上で、こう続ける。

■寝技の精度向上も大事

「08年北京の石井慧以降、金メダルから遠ざかる最重量の『100キロ超級』の復活が課題のひとつになるでしょう。今大会は16年リオ銀の原沢久喜が5位に終わり、雪辱を果たせなかった。大外刈り、内股といった足技が主流だった超級は今、背負い投げや袖つり込み腰といった担ぎ技も必要になっている。軽量級は強さを発揮しているものの、団体で勝つには超級を底上げし、総合力を高める必要があります」

 日本勢が得意とする寝技の精度をさらに高めることも大事になる。

「今大会では女子が得意の寝技で活躍した。70キロ級で金を取った新井千鶴(27)は16分超の試合となった準決勝で、何度も寝技が解けたものの、最後は絞め落として勝った。審判は寝技に入った際、安易に『待て』をかけず、じっくりと見ていた。きちんと抑え込めば一本が取れる傾向が見えてきました」(木村氏)

 前任者が手腕を発揮しただけに、後任監督にかかる期待と重圧は大きいが果たして……。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  2. 2
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  3. 3
    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

  4. 4
    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  2. 7
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  3. 8
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  4. 9
    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

  5. 10
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間